【読書相談室】紙の本、電子書籍、オーディオブック – 結局どれがいいの?

「百冊堂」のコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

開店以来、多くの方にサイトを訪れていただき、嬉しい限りです。

さて、本日はインスタのDMからいただいた、こんなご質問にお答えしたいと思います。

【ご質問】
最近は読書の方法も多様化し、紙の本だけでなく、電子書籍やオーディオブックも活用しています。特にオーディオブックは通勤中に「ながら聴き」ができて重宝しています。
一方で、以前試した電子書籍は、気になった箇所を後から見返そうとしても、パラパラとページをめくる感覚がなく、どこだったか探すのに苦労してしまい、結局やめてしまいました。
それぞれのメディアに良さがあると思いますが、「百冊堂」としては、どの読書方法を推奨されますか?それぞれのメリット・デメリットを教えてください。

ご質問ありがとうございます。

これは、多忙な中でインプットを続けようとされている、多くのビジネスパーソンが抱える共通の悩みだと思います。

結論から申し上げますと、私たち「百冊堂」は「思考の『インストール』は、紙の本で。情報の『インプット』は耳と指で。」と考えています。

それぞれの特徴を、私の視点から解説します。

1. 紙の本:思考を深め、「インストール」するための読書

まず、私たちが最も大切にしているのが「紙の本」です。

ご質問者さまが電子書籍で感じた「ページを戻せない」という感覚は、紙の読書体験の本質を突いています。

【メリット】

記憶への定着度が高い: ページの質感、インクの匂い、本全体のどのあたりを読んでいるかという物理的な感覚は、記憶と強く結びつきます。「あの図は、確か左ページの真ん中あたりに…」といった感覚的な記憶が、知識の定着を助けます。

思考が中断されない: スマートフォンの通知などに邪魔されることなく、本の内容に深く集中できます。重要な概念をじっくりと理解し、自分の考えを巡らせる「深掘り」に最適です。

一覧性と網羅性: パラパラとページをめくりながら全体像を掴んだり、付箋を貼った箇所を瞬時に見返したりできる一覧性は、紙媒体ならではの強みです。

【デメリット】

携帯性: かさばるため、何冊も持ち歩くのには不向きです。

場所を選ぶ: 当然ですが、読むためにはある程度の明るさと場所が必要です。

2. オーディオブック:「ながら時間」を知識に変える最強のツール

ご質問者も活用されている通り、オーディオブックは現代人のライフスタイルに革命をもたらしました。そして私も大いに活用している”本”のひとつです。

【メリット】

圧倒的な「ながら読書」性能: 通勤、家事、運動中など、これまでインプットが難しかった時間を、丸ごと学習時間に変えることができます。

インプット量の最大化: 読むのが苦手な人でも、耳からならスムーズに情報をインプットできます。幅広いジャンルの本に触れる「きっかけ」として非常に優れています。

【デメリット】

受動的になりやすい: 聞き流してしまい、内容が記憶に残りづらいことがあります。

要点の把握が難しい: 図やグラフが多いビジネス書や、複雑な理論書には不向きです。

3. 電子書籍:膨大な書籍を持ち歩ける「動く書斎」

電子書籍は、その圧倒的な携帯性が魅力です。

【メリット】

携帯性と検索性: 何千冊もの本を一つのデバイスで持ち運べます。また、特定のキーワードを検索して、該当箇所をすぐに見つけ出せるのは電子書籍ならではの強みです。

場所を選ばない: 暗い場所でも読むことができ、海外からでも日本の書籍をすぐに購入できます。

【デメリット】

記憶に残りづらい: 紙の本に比べ、内容の全体像や位置関係が把握しにくく、記憶に定着しづらいと感じる方が多いようです。

集中力の維持: 日常デバイスにて読む場合、通知設定をオフにしない場合、他のアプリからの通知など、読書の妨げになる要素が多いのが難点です。

百冊堂からのご提案:「ハイブリッド読書」のすすめ

ここまで見てきたように、それぞれに一長一短があります。

だからこそ私たちは、あなたの目的や本の特性に合わせて使い分ける「ハイブリッド読書」を強くお勧めします。

そして、読書には2つの側面があります。

それは、知識を効率的に「インプット」する側面と、その知識を自分の血肉とし、思考OSに「インストール」する側面です。

オーディオブックや電子書籍は、前者の「インプット」において最強のツールです。しかし、あなたのキャリアの転機となるような深い学び、つまり「インストール」のプロセスには、紙の本に勝るものはないと言えます。

なぜなら、重要な知識のインストールには、書き込み、付箋を貼り、何度もページを往復しながら思索するプロセスが不可欠だからです。

それは単なる情報収集という「消費」活動ではなく、未来の自分を作るための「投資」活動に他なりません。

私の回答をまとめます。

・思考の幹となる本、何度も読み返したい名著
→ 【紙の本】で。書き込みや付箋をしながら、じっくりと自分の血肉にしてください。

・業界のトレンド把握や、多読による情報収集
→ 【オーディオブック】で。移動時間を活用し、効率的にインプット量を増やしましょう。

・出張や旅行先で読みたい本、辞書的に使いたい本
→ 【電子書籍】で。荷物を増やすことなく、いつでもどこでも自分の書斎にアクセスできます。

情報の『インプット』は耳と指で。思考の『インストール』は、紙の本で。

「百冊堂」が目指すのは、あなたの「ビジネス人生を変える100冊」との出会いです。その中でも、特にあなたの思考の根幹となり、何度も立ち返るべき「核となる一冊」は、ぜひ紙の本で、五感を使いながら深く味わってみてください。

私たちは、そんな特別な一冊を見つけるための「道案内」を喜んでさせていただきます。