不確実な時代を生き抜くための「持ち運び可能な武器」
■ 「社内でしか通じない人」になっていないか?
「今の会社で一生働き続けるつもりはないけれど、転職できる自信もない」。
そんな漠然とした不安を抱えているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。
原因はシンプルです。あなたが持っているスキルが、特定の会社や業界でしか通用しない「固定スキル」になってしまっているからです。
本書の著者・吉井亮介氏は、リクルートなどの人材業界を経て独立したキャリアのプロフェッショナル。彼が提唱するのは、業種や職種が変わっても持ち運びができる「ポータブル・スキル」の重要性です。
■ 明日から使える「11の武器」
本書では、抽象的な精神論ではなく、明日から実践できる具体的な11のスキルが解説されています。その中でも特に重要なのが以下の3点です。
1.「対課題力」
言われたことをやるだけでなく、自ら課題を発見し、解決策を設計する力。AIが台頭する時代において、最も代替されにくい能力です。
2.「対人力」
社内外の利害関係者を調整し、協力を取り付ける力。上司を動かす、他部署を巻き込むといった泥臭いコミュニケーション能力こそが、実は最強のポータブル・スキルです。
3.「対自分力」
自分の感情やモチベーションをコントロールし、行動を継続する力。環境のせいにせず、自律的に動ける人間はどこへ行っても重宝されます。
■ 「会社名」ではなく「自分の名前」で生きる
本書の帯にある「会社名ではなく、自分の名前で生きていくための参考書」という言葉。これこそが本書の核心です。
今の会社での評価(社内価値)と、労働市場での評価(市場価値)は必ずしも一致しません。
「自分は今の会社がなくなっても食っていけるか?」
その問いに対し、本書は残酷な現実を突きつけると同時に、市場価値を高めるための具体的なロードマップを示してくれます。
キャリアの棚卸しをしたい人にとって、これ以上ない「実践的教科書」となるでしょう。
店主の 道案内ノート
私がこの本を手にしたのは、会社員時代のことです。
社内の研修を受けても、社内で成績を残している人を見ても、「なんか違う」「この人は本当に優秀なのかな」と思っていました。(すごい失礼ですが、それが当時の本音でした。)
会社の研修を受ければ受けるほど、その会社でしか仕事ができない人に形作られていくような、そんな感覚がありました。
その時に本屋さんでこの表紙を見ました。ポータブルスキルとは、、??そして、自分のモヤモヤが消えたような気がしました。
それからは、社内の研修でも、どれがか”社内限定用”でどれが”実社会用”かを考えるようになり、仕事の仕方も、実社会で通用することを考えながらするようになりました。
不思議なもので、社内で優秀な成果を残すための研修を選んで受けている人と、社内だけで通用する研修は受けない私とでは、なぜか私の方がどんどん成果を出していきました。
また、どこへ行っても通用するスキルがあるという自信がさらに自分自身の成長を加速させ、どんな異動も、そして海外での仕事もできるようになっていました。
ただただ純粋に「その看板がなくても持ち運べる武器を手に入れよう」そういう気持ちでスキルを身につける習慣を持つことで、活躍ができる、そんな希望が持てる本としておすすめです。
まとめ
持ち運べると言っても、この本は、転職を推奨する本ではありません。
むしろ、「いつでも転職できるだけの実力(ポータブル・スキル)」を身につけた上で、あえて今の会社を選ぶという、自由で強い働き方を手に入れるための本です。
会社という看板に守られているうちに、自分の中に「持ち運び可能な武器」をいくつ積み込めるか。
本書の表紙にある、箱のイラストのように、あなたのキャリアという箱に、確かなスキルを詰め込んでいく、そんなビジネス人生を改めてスタートしませんか。百冊堂ではあなたにぴったりの本を提案させていただきます。
